nonkinatohsan’s blog

このまま実りの無い人生で終わるのかと、 、 、

母の日に

昨日は休日出勤の代休でお休みだった。朝から生憎のお天気だったが、春の忙しさもようやく一段落したので、母と家内と三人で出掛けた。主たる目的は母の外出用の服とか靴とかを一通り揃えて置くことことだった。前日が母の日だったのは偶々で、特に親孝行の真似事をしたかった訳ではない。二ヶ月に一度掛かり付け医に行くときの母の服と靴が、私の目から見たらよれよれだったからだ。

お昼前に近くの衣料品店に行った。それぞれの見立ては家内に御願いして、最終的には本人がこれが良いというものを購入した。母はずっと遠慮しどおしだったが、全部で約十点、肌着や靴下さらに帽子まで含めて一万円ちょっと出たくらいで揃えることが出来たのはありがたい。

 

そのあとの食事は回るお寿司屋さんか、いつものイタリアンレストランかにしようと考えていたのだが、市内の蕎麦屋さんに行くことにした。と言っても街中にあるわけではなく、田園地区の一画にある。店は山(といっても数十メートル程度の山)際の道沿いにあり、店内からは田植えしたばかりの田んぼがずっと広がっているのが見える。メニューもそばを中心に他も我々にはお馴染みの田舎料理づくしで、材料は近くで採れた新鮮なものを使っている。私と母は何度か来たことがある場所なのだが、家内は初めてだったので此処にした。

しかし着いて驚いた。平日にもかかわらず駐車場が一杯で道路の端に停まっている車もある。全部で十台位か。先に母と家内が降りて店に入る。私は停める場所を探したが無い。仕方なく(申し訳なく)道の端っこに・・・  急いで向かうと店の入り口には数人の列ができている。我々の前にいた人は予約して来たのだという。いつの間にか人気店になっていたのか。

我々は相席でも良いという方たちのお陰で離れに通された。離れといっても八畳位で庵風の造りなのだ。(庵がどういう造りなのかは全く知らないが・・・)

先客は男女お二人で男性は外国の方、女性は日本の方のように見受けられた。私は恐縮しながらおずおずと中に入ったのだが、すでに先に入っていた家内は興味をそそられたみたいで何か先客とすでに会話している。

(おい、少しは遠慮や配慮というものがあるだろう!)

しかし男性の方は流暢な日本語で家内の質問に答えていた。驚いたことに県内のあるお寺の住職をされているのだという。それも禅宗のお寺なのだという。家内は更に名刺を所望する。

(おいおい、少しは!!)

そのお寺の所在地はそれほど離れてはいない。

食事が運ばれて来てからもご住職は家内の質問に嫌な顔もせずに丁寧に答えてくださった。

(おいおいおい、食事中だぞ!!!)

私も何を喋ったかはあまり覚えていないが、私の日々の感想に対してもきちんと応答して頂いた。

(お寺様なのだから説法は慣れていらっしゃるか・・・)

 

しばらくしてようやく会話も一段落した。

 

あちらも英語を交えながらお二人で談笑されていた。

 

こちらもぎこちなく家内と談笑(?)しているうちに料理も運ばれてきて、お互い無口に戻る。母もお腹が空いていたのか、もくもくと食べている。

 

約一時間ほどして店を出ると、田んぼの植えたばかりの稲の苗も吹き渡る風に揺れていた。