車のフロントガラスが細かなほこりで覆われていた。建物の屋上には黄色い斑点や筋がいくつもできていた。これらは杉の花粉の仕業だと同僚に教えられた。
幸いまだ花粉症にはなっていないが、すでに身近な人たちの内でかなりの人たちが患者である。
良かれと考えてしたことが、このような騒ぎを惹き起こしているなどとは、いにしえの人々は想像もしなかっただろう。
自由と平等を旗印とする邦はどれだけあるのだろう。そしてどれだけその二つを達成した邦はどれだけあるのだろう。自由を求めれば平等がおろそかになり、平等を求めれば自由が制限される。自由は競争を産み出し、平等は停滞を産み出す。
人間は生まれながらにして平等である、とはどういうことなのだろう。もちろんすべてを平等にすることは不可能である。それは人間は産まれながらにしてすでに様々な違いがある。そして様々なハンディキャップを持ってこの世に来ている。どんな手立てを用いれば平等が達成できるのだろうか。
様々な人々が提言してくださっている、これからの世の中の在り方を。色々な価値観が共存できることが何よりも求められるし、他者の権利を侵さない限り多様性が認められるべきである。
急ぎ過ぎず、またのんびりしすぎず行こうか。
