大人が鼻水たらしながら雪玉を転がしている。そのそばでまた子供らが同じように雪玉らしきものを押し転がしている。ある程度かたちにするまでは子供らは承知はするまい。手の指はもちろんだが、足の指もすでに感覚がなくなってきているのだが。
この地のあっちの陣営もこっちの陣営も、もうどっちも勝者にはなれない。自分たちの方が正しいとどんなにアピールしてももう誰も味方しない。とにかくルールを自分たちの有利なほうにねじ曲げて勝とうとするからだし、気にくわないとすぐにルールも無視するからだ。子供たちではなく、大人どうしなのにだ。それでも子供たちにルールを守れと言ってもいいのだろうか。
またルールを神聖視するのもいいし、ルールを絶対視するのもいい。でも人の権利を無視する、あるいは軽視するルールを認めることは人としてあり得ないが、かの地では●人がおこなわれているという。それでも正義は勝つと、子供たちに教えていいのだろうか?
これくらいの寒さに耐えられないのであれば確かに忍耐が足りないのだといわれても仕方がない。鼻水たらしながらも、こうして孫たちと雪だるまを一緒に作れるのはありがたい。
冬はまだまだ、つづくのだ。なお覚悟しながら。