対岸の火事、ということばがある。
でもそれは、こちら側が絶対安全だという意味ではない。
絶対に安全な場所など、もうどこにもないのかもしれない。
不届き者を毅然と諌める老婆。
もう息をすることもない幼子を抱きしめる母親。
一旦家族を引き連れ避難したが、すぐに戻ろうとしている父親。
彼の地で幾度となく繰り返される悲劇。
昔々ここにも似たようなお話があったとさ。
「覚悟はあるの?」
「何の覚悟?」
「家族を守る覚悟!」
「何の話?」
もう春なのに・・・
自然も怖いが・・・
でも一番怖いのは・・・