冬に向かっていくこの季節が好きだ。なんとなく落ち着いていて、慌てるところもない。多重というのか、多彩というのかわからないが、深みがある、そんなところが良い。すっかり満喫している。
と言いたいところだが、実は今にも転びそうなくらい前のめりで、足許も覚束ない。そして心許ない。かの本にも、時には鳥瞰が必要とあったが、如何せん飛べない、翔べない、跳べない。
だから脱皮して変身できなければ、ずっと芋虫のまま、地道に這っていくしかない。いや芋虫ですらないかもしれない。まあ何虫でもいいか。治虫でも、寒虫でも、、、
ただひとついいことがある。最近あの声が聞こえてこないことだ。あいつも小生(小虫)と同い年、弱ってきたのかしら。「そんなことしてなんになる?」「何様のつもり?」いちいち、にいにい、さんさんとうるさかったのに。
でも大丈夫、、、
もう大丈夫、、、
ほんとに大丈夫さ。