nonkinatohsan’s blog

このまま実りの無い人生で終わるのかと、 、 、

惑星直列?

「夕暮れに夜明けの歌を(文学を探しにロシアに行く)」奈倉有里著 イーストプレス出版

 

今ロシアという名称には多分否定的な意味を感じる人が多いだろう。しかしかつての自分の中にその語に惹かれる何かがあった。まだ十代の頃、トルストイの人生論を読んだことがある。そしてそれとはまったく関係なく「アー、ベー、ヴェー、ゲー、デー、イエー、イヨー・・・」と無駄に唱えていた気がする。ただロシアのあの長〰️い小説を読みきるだけの気力と体力はまったく持っていなかった。丁度人生の迷路の真っ只中にいてもがいていた頃だ。今もまだ抜け出せてはいないが、又もう一度読みたいと思う。

 

この本の著者は二十年ほど前に留学のためロシアのサンクトペテルブルグに単身乗り込んだ。未知なる世界に飛び込むことに躊躇はあっただろうけど好きが勝っていた訳だ。

 

こちらの二十年ほど前というとほぼ真っ暗闇の中にいた。分別のつくべき年頃ではあったはずだが、再び迷路に踏み込んでしまっていた。この著者ほどの情熱と覚悟があればもしかすると何者かになっていたかもしれないが、こちらは残念ながらまだ何者にもなれてはいない。

 

今は混沌としているが希望は確かにまだここにある。